僕から、キミへ~anotherstory~
第6章 ハルナside
「う…ん……」
目が覚めると真っ白な天井が真っ先に視界に広がった。
…ここ、どこ?
「ハルナ!大丈夫?」
「…お母さん……?」
「良かったわぁ目覚めて」
「あたし…どうして……」
「覚えてないの?
学校に行く途中の交差点で、仔猫が赤信号の時飛びだして。
それをハルナが庇ったのよ」
「あたしが…猫を?」
そういえばいた…小さな仔猫が。
灰色のちょっと薄汚い仔猫。
赤信号なのに飛び出して行って。
気が付けば一緒に飛び出していた。
「お母さん…仔猫は?」
「今動物病院にいるわ。
怪我はしているけど、命に別状はないって」
「良かったぁ……」
あの子守れたんだ。
すっごく小さな仔猫だったんだもん。
守れて良かった。