僕から、キミへ~anotherstory~








「起きるんだよ…ね?」


「カイくんのお母様に聞いたんだけど…本人次第らしいわ」


「そんなっ……!」





今すぐにでも駆け寄って声をかけたい。

だけど暫く安静にと医者から言われたみたいで、お母さんに止められた。

あたしはその場で涙を流した。





どうしてあたし、事故に合っちゃったんだろう。

どうしてカイくんが倒れないと、いけなかったんだろう。

泣きながらぐるぐると、そんなことばかり考えていた。





あたしは、お母さんが見守る傍で、床に足をつく。




「ハルナ!安静にしていなさいって言ったでしょう」


「やだっ!カイくん!カイくん!!」




足を再び骨折しているらしいあたしは、松葉杖を手に取った。

そして殆(ほとん)どの体重をかけ、立ち上がろうと試みる。



だけど、鈍い痛みが走り、ベッドに座った。

傍に寄ることも出来ないなんて。

怪我だからしょうがない?

…しょうがないで済まさないでよ。



しかも前回は片足骨折だったのに、今回は両足。

片方の足で立ち上がることは出来ない。






「やぁっ…!カイくん!!」





あたしは病院と言う場所を忘れ、泣き叫んだ。







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