僕から、キミへ~anotherstory~
僕からキミへ、あたしからキミへ
「うわぁ、あったかい…」
「カイくん子どもみたい」
「ちょっ、ハルナ?」
「ごめんごめん、冗談冗談」
クスクス笑うハルナさんに笑い返す。
僕の首元には、綺麗な水色のマフラーが巻いてあった。
水色といっても、空のような水色ではない。
太陽をいっぱい浴びた、海のような水色だ。
「カイって名前、漢字は違うけど、海とも書けるでしょ?
だから、海のような色が良いなって」
「気に入ったよハルナ、本当にありがとう」
丁寧に編み込まれたことがわかる、手作りのマフラー。
クリスマスには早いけど、寒くなって来たこの時期には
この温かさが嬉しい。
「でもごめんハルナ。
僕ハルナにプレゼント持ってきてないよ」
「んー?
別にいらないよ。
カイが傍にいてくれたら、それだけで幸せっ」
「ハルナ…それ大胆すぎ」
一緒にクスクスと笑った。