私は、あなたの何?
入ってみて気づいたが、この車はどうも、仕事用のものらしい。

「思ってたより、可愛いねぇ。」
「そんなことないですよ。男子にブスブスって連呼されてますし、彼氏もできたことないです。」
「うそぉー。まじで?俺はね……」

そして、20分ほど話をしていた。普通に学校のことや仕事のことなどを話した。

だが、さっきから、何かおかしい。虫かな?

「……何か首にいます?」
「なんにもー?」

何か首に触ってる。しかも、これ人間の手だ。

「ねぇ、可愛い顔をもっと見せてよ?」

(こいつ、やばい)
恐怖をまた感じ始めたので、顔覚をえられないよう、顔を思いっきり背けた。

「や、やです。はずかしい。」
「えー、可愛いのにぃ」
「ぇ?」

うなじを触っていた男の手は、いつの間にか肩にまでおりてきていた。そして、腕を撫で、手に絡みつき、私の指に男の指を絡ませようとしてくる。私は全力で拳を握る。

「ちょ、ちょ!?」
「可愛いなぁ」

手を握るのを諦めた男の手が、私の股をなで始める。

「ぇ、まって、やだ」
「えー?」

今度は、あいてる手で胸を触りだした。

「やだ。やだ」
「本当?」

乳首をずっとこねられる。今までイヤラシイ目的で胸を触ったことのない私は、変な感覚になった。でも、怖いのは消えない。

「本当にむりです。もう、30分こえましたよね?」
「そーだね。こえたね」
「勉強するので、帰ります」

ガバ

急いで逃げた。でも、このまま自転車置き場に直行すると、あとをつけられる可能性があると思い、わざとビルの中に入って、男性がいなくなるのを待った。
私がビルに着いてすぐに、車が動いた。
やはり、ビルに入って正解だった。男はキョロキョロしながら、運転していた。
そして、男の車が完全に見えなくなるまで、待った。
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