そばにいたいよ

再開

そして現在にいたるのだ。
夜、バイト帰り1人でトボトボ歩く
私はこの時間が嫌いじゃない

今日は久しぶりに中学の頃を思い出してしまった。



中学時代をひきづっていると言えば嘘になるのかな…
寒さのせいなのか、今日は一段と人肌恋しい。

いけない、いけない!
ほっぺを強く叩き「よしっ」と気合いを入れ直した



帰り道、私はいつもより遠回りをして帰った。
よく4人で帰った通学路、
木造建ての小さな駄菓子屋さん。
おばちゃん、優しかったな…
クスッと思い出し笑いしてしまう

公園ーーーー

「あっ!」

いきなり聞こえた人の声で思わずその場で止まってしまった。

振り向くと公園の中にいたのは
シュウだった
ブレザーを着て黒いマフラーに顔を埋めちょっぴり出た鼻があかくなっている

「シュウ!」
「りなじゃん、久しぶり」
久しぶりにシュウの声を聞いただけなのに
私の心拍数はどんどん上がっていく

「そんなところで何してんの?」
本当はすごく嬉しいのに言葉にできない
つい普通なことを聞いてしまう
「んっ〜なんとなくかな」

「ふ〜ん、こんなに寒いのに?」

「んーっ、たそがれたくなる時もあんのっ」

何かあったのかなとおもったが、あえて聞かないことにした。

「寒いからこれで失礼するよ」
ちょっとヨソヨソしい自分の態度に腹がたつ

元来た道を帰ろうとする。

「ねぇ、今度ちょっと会えない?」

「まぁ時間あったらね」

そう言った私は思わず走り出した。

道がキラキラみえる
バイトで疲れた体がすごく軽い
ニヤける顔を隠しきれなかった

その夜の私は遠足の前日の小学生のようだった。


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