理由(ワケ)なんてないっ!(仮)

俺と母さん


ずいぶん前に進路は決まっていた。
希の高校の近くにある私立高校。

引っ越してきて一年も経たない頃ーー

俺が、親戚の家に預けられた理由は何となくわかっていた。
突然の義母さんからの連絡
「もしもし蓮…久しぶり。元気?」
「うん…そっちこそ」
義理の母と知ってから母さんと呼ぶ事にためらいを持つようになった。
「あのさ、俺いつになったら希にあえる?」
「その事なんだけど…希ね。あなたの記憶がなくなってしまったみたいなの…」

…言葉が出なかった
言っている意味がわからなかった
「だから、普通の弟としてならいつでも戻ってきなさい。1つ条件…あなたが彼女をす好きだという気持ち、一部記憶がないことを教えないこと。」

義母さんの声がいつもと違う気がする

「あ、うん」

何て返せばいいのかわからない
会える?あってもいいのか…
希に俺の記憶がない…
あってどうすればいいのか…

小学生の俺には何をすればいいのか選択肢すら思いつかなかった。

中学生になり、貯金などを使い何度か希の住む街に足を運んだ
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