恋色桜
なんだろうこの沈黙…。
「そうだけど…。何?」
気まずかったけど、なんとなく気になって問いかける。
「いや…別に。」
そう言うと、結城は黙ってしまった。だから、私もそれ以上問いかけなかった。けれど、今思えばこのときに聞いておけばよかったのかもしれない。聞いておけばあんなことにはならなかったかもしれない。しかし、もう恋色の桜に蕾が付き始めてしまっていた。私たちの恋が幕を開け始めていたのだった。
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