恋色桜

桜咲くとき

結城は、何で黙っちゃったんだろう…。そのことが気になって、さっきから考えている。
「どうしたの?美咲。」
そう話しかけてくれたのは、お姉ちゃんだった。
「ちょっと考え事。…ってここどこ?」
ボーっと歩いていたみたいで、また気がついたら知らないところにいた。
「ここは、2年の校舎。だから、何で美咲が来たのかなって思って。迷ったの?」
2年の校舎と移動教室は同じ建物なんだ。知らなかった…。
「あはは、大丈夫。」
笑って誤魔化したもののどうやって帰ろう。
「葵!」
「冬賀、どうしたの?」
冬賀先輩?あ、こっちに来る!
「委員会は今日なしだって。あ、この前の新入生?」
ニコッと笑って挨拶してくれた。
「あ、こんにちは。」
ぺこっとお辞儀をしながら挨拶していると
「妹の美咲。美咲、こっちが水城冬賀(みずきとうが)で私の友達。」
とお姉ちゃんが紹介してくれた。





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