桜の妖精に恋
四月:桜の木の下で
少女“大丈夫だよ。きっといつか会えるから…”
“君…誰…?”
少女“ようた、私はー”
ピピピピッ!カチッ
「あ…ゆめか…」
母『陽太〜!!遅刻するわよ〜』
「はぁ…」
今日も平凡な毎日が始まる。俺は今日から桜咲高校に通う、木之本陽太(きのもと ようた)、勉強もスポーツもできるわけでもなく、暇があればゲームをして毎日を過ごしてる。
「高校かぁ…」
俺は家を出た後、友達と待ち合わせのために神社の前にある桜の木に寄り掛かって待っている途中だ。
「この桜の木…」
この桜の木は俺が物心ついた時からある。両親が喧嘩してるのが嫌でここに何回も来てた。
ベシッ!!
「おわっ!!っー!!」
『よっ!相変わらず、ぼさーっとしてんな陽太は!にっしし笑笑』
「朝からうるせぇよ、木陰!てか、痛いんだけど…。」
『何、はしゃいでるんです?高校生になったんですから少しは高校生らしくー』
いつもの様に雑談が始まる。
木陰は影山木陰(かげやま こかげ)、中学の時に色々あり仲良くなり、女好きで見た目はチャラそうなやつだけど実は好きになったやつには一途。たまに相手をするの疲れるけど、木陰と居ると場が明るくなる。
そして敬語を遣ってるのが、月野原 要(つきのはら かなめ)、月野原グループの社長息子で頭もスポーツもできる上にしっかり者。俺とは幼稚園からの付き合いで、誰にでも敬語を遣って優しさをアピールして周りから好かれているが、実は腹黒い…。
木陰『わ〜わかったって!!』
要『本当にわかってんるですか?!』
俺は2人の会話を放置し、ドンストを始めようとした瞬間に何故か俺まで要に説教された。
〜放課後〜
木陰『あー!!やっと解放された…』
「ぁぁ…。てか、何で俺まで…。」
要は部活見学のため、俺と木陰はやっと解放された。
木陰『旅は道連れって言うだろ?』
「道連れすんなっ!てか、要は同じこと何度も何度も…母さん見てぇヽ( ̄д ̄;)」
木陰『なぁ!一緒に本屋行かね?今日、ジャップ発売日だろ?』
俺と木陰は、漫画とかゲームで話が合ってよく遊ぶ。ジャップを買え終えた俺たちは、漫画を読むため、家に行こうとしたが、木陰は母親に買い物を頼まれ帰るこになった。
「高校かぁ…」
神社の前を通ろうとしようとした瞬間、神社の桜の木が眩しいくらいに光りだした。
「っ?!」
光り出したのは一瞬で、俺が目を開けた時には桜の木は元に戻っていた。
「太陽の反射か…?」
俺はわからないでいると、桜の木の後ろから笑い声が聞こえる。
「誰…?」
俺が聞くと、ピンクのショートボブヘアに白いワンピースを着て羽がついていて10センチくらいの女の子が俺に近づいて来た。まるで、ゲームの世界で出てくる様な妖精…。
『よ〜〜た(*^▽^*)!』
「……。」
『よーた?どうしたの?ねぇーってば!』
「い…いやぁ〜〜俺疲れてるんだなぁ〜早く帰って寝よう(⌒-⌒; )疲れて幻覚までみるとは…。」
『幻覚じゃないわよ!まぁ、無理ないわね!』
俺は状況を読めずにいた。妖精みたいなやつはどんどんと話し出す。てか、何で俺の名前知ってるのかが全くわからん!
「桜の妖精…?」
『そう!チェリーって言うのよ(*^▽^*)』
どうやら、この妖精は神社の桜の木のを守る妖精らしい。
チェリー『というわけで、陽太よろしくね!行こっか!』
「えっどこに行くんだ?」
チェリー『陽太の家だけど?』
「お前もか?」
チェリー『そうだけど?1年間陽太と一緒にいるっていう約束じゃない』
「約束してねぇーし!てか、勝手に決めんな〜〜!」
そして、チェリーと俺の生活が始まった…。