桜の妖精に恋

水族館


水族館に着いた俺たちは、班で水族館の中をまわっている。チェリーは魚を見るなり何処か行ってしまった。

女子z『すごいいっぱい魚いるね?。』

奈々『そうだね。って、z・y!なに、木之本くんと要くんに絡んでるの!もう!2人困ってるじゃない!!』

要・陽太『「あはは…(^^;)。」』

女子z『奈々も腕組めばいいじゃない。』

奈々『なっ!?そう言う問題じゃないよ!』

女子y『仕方ないなぁ…。』

桃山のおかげでやっと解放された俺たち。桃山にお礼を言った矢先に、要は知らない女子に後ろから抱きつかれ、俺は腕をつかまれた。
女子p『要くーん!さっきぶり!』

要『あの…離れていただけますか?』

要が声をかけても離そうとしない。要、頑張れ…。

百合野『木之本くんいたから、追いかけて来ちゃった。』

「百合野さん?木陰は?」

木陰『みんなして居なくなるなんて酷いよ?って…要と陽太?』

要『木陰、班の子の目を離してはいけませんよ!ただでさえ女の子なんですから、何かあったら大変ですよ!』

要?女子のことをネタに早く逃れようとしてるな。まぁ、俺も早く逃れたいから要に感謝。
木陰『悪りぃな…。』

木陰はじっと俺をみた。見てる視線を辿ると百合野がまだ俺の腕を掴んでいる。俺はトイレに行くと言ってそっと百合野から離れた。

「はぁ??_| ̄|○疲れた…。」

木陰『なぁ…陽太。』

「うわぁっ!!ど、どうした?」

木陰『陽太は、理伽ちゃんの事どう思った?』
「は?どうと言われても、美人だとは思うけど興味ない。それがどうかしたか?」

木陰『俺は理伽ちゃんが好きだ…。入学したときに一目惚れして、だんだん話しているうちに本気で好きになったんだ。』

木陰は真剣な顔をして俺に話してきた。俺は木陰に頑張れと声援を贈った。
集合時間まであと20分になり、俺はトイレを口実にみんなから離れてチェリーを探しに行った。

チェリー『わぁ?お魚?!ねぇねぇ、陽太お魚?!ってあれ?陽太?』

その頃チェリーは魚に夢中で、俺を完全に見失った。チェリーは来た方向もわからずにキョロキョロして俺を探した。いくら周りを見ても見つけられず、チェリーはどんどん不安になってきた。

「チェリーいねぇな…。ったく…どこに行ったんだよ…。」

探し周ってもどこにも居ない。もう一回まわるか!チェリーは魚の水槽の入り口まできていた。

チェリー『何かここ違う気がする…。んっ?あれってお魚さんだぁー(*゚▽゚*)』

チェリーは魚の水槽の中へ入った。

従業員『おい!水槽の蓋開けっぱなしだぞ!ここは気を付けろっていったろ?』

がぢゃ!

従業員『すみません…。』

チェリーは水槽の中へ閉じ込められてしまった。魚はチェリーを見て、近寄ってくる。

「ちっ!どこにいんだよ…。あと10分しかねぇよ!」

客『なぁなぁ!サメのところすごいらしいぜ!』
客『何かあるの?』

客『物凄いスピードで水槽を泳いでるって話!!行ってみようぜ!』

「サメの水槽…。さ、流石のチェリーでもサメの水槽まではいかねぇよ。俺は何を考えてるのやらあはは…」

俺は頭をかいて違う場所に探しに行こうとしたが、何か嫌な予感しかしなくて念のためサメの水槽に行くことにした。




チェリー…。





何がどうしたらサメの水槽の中に入ることがあるんだー!!



いくら魚が珍しいからって、サメの水槽に入るか、普通ー!!



俺は急いで、従業員にサメが暴走してると伝えて一緒に水槽の入り口まで同行させてもらった。

「チェリー!!」

従業員『どうした?』

俺は携帯につけていた桜のストラップをわざと落とした。従業員に落としたと言って従業員に網で取ってもらうように仕向けた。最初は諦めてと言われたが、母の形見と言ったら取ってもらえるようになった。

チェリー『よ…陽太!あれって陽太のストラップ…。もしかして、ストラップ持って逃げろって事?』

チェリーはストラップを持って泳いで、サメから逃げ続け、水槽の入り口から網が入って来たので、チェリーは網の中に入った。

従業員『これかなぁ?』

「はい!ありがとうございます。サメの暴走も収まったみたいでよかったです。」

従業員『いやいや!伝えてくれてありがとうね。』

やっとチェリーを救出できた俺は、人気のない場所にチェリーを連れた。

「チェリー!!お前は何やってんだ!!」

チェリー『っ!!陽太…あの…』

「どうしたらあんなとこに入るんだよ!いくら初めての魚が見れて嬉しかったとしても、水槽の中まで入るバカいるかよ!!」

チェリー『ご、ごめんなさぁぁぁい.°(?д?。)°.もうしない.°(?д?。)°.』

俺はチェリーを自分の胸に引き寄せて、チェリーの背中をポンポンした。

「大丈夫か?怖かっただろ?」

チェリー『陽太ぁぁぁ.°(?д?。)°.』

チェリーがやっと泣き止んでくれたのは、集合時間5分前だった。

「ほら、行くぞ!」

チェリー『あ…帰るんだね…。』

「帰ってもいいけど、あと5分残ってる。お前は俺と一緒に魚が見たいんだろ?」

チェリー『いいの!?陽太ー大好き!!』

ドキッ!!

チェリーの笑顔みると何故か俺まで癒されて自然と笑っていた。


結局、集合5分遅刻した俺は先生に怒られ、男子にはどんだけ長いトイレだとからかわれた。


高校に入って初めての遠足は、忘れたくても忘れられない遠足となった。
< 5 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop