ロールキャベツは好きですか?
「あの時、怒鳴ることしかできなくて、大人な対応ができなかった自分が、情けなくて恥ずかしくて。未だにあいつの名前を聞くだけで、自己嫌悪が広がって、腹立たしくなる。すみません、昼間はご迷惑おかけしました」
ペコリと、田島くんは座ったまま、頭を下げた。
……いつも、仕事で見てきたけど、このこは真面目なんだよね。
真面目で、優しくて、結構、繊細。
それでいて、一途。
「田島くんは、彼女を愛しているなら、当然の反応したのよ。あなたが嫌悪する必要ないわよ」
「……主任」
私は微笑んでみせた。
あなたが、これ以上傷つかないでほしかったから。
これ以上、思いつめないでほしかったから。
それは心から思ったことだった。
彼を大切にしたい……そうも思った。