ロールキャベツは好きですか?
自分でも大胆なことをしてるってわかってる。
夜に、男の人を家に上げるなんて。
田島くんも、困ったような呆れたような表情で、笑っている。
「……主任。その言葉の意味わかってます?俺に襲われても、非難できませんよ?」
口調はからかっているようだけど。
田島くんの瞳の影に、ちらりと見えた情熱。
私はその瞳を見つめ返しながら、言いきった。
「いいよ、田島くんなら。きっと後悔しない」
「……っ!」
彼の目が見開かれる。
今日の私、大胆だ。
一度苦笑してから、固まっている田島くんに、また言葉をかける。
「別に投げやりな気持ちになってるわけじゃない。ただ、最近ずっとあなたのことを見ていて思っただけ」
私の言葉の真偽を問うように、彼の腕が伸びてきて、私の身体をすっぽりと包み込んだ。
「……主任。俺の理性を壊さないでください」
懇願に近い響きだった。
彼の瞳は閉じられていて、きつくきつく抱きしめられる。
「あなたならいい。素直にそう思えるから……だから」
「……だから?」
「……だから、その前に私の過去も話していいかな?」
彼が目を開けて、私を覗き込んでくる。
その瞳は、もしかして……?と語っていた。
すでに話の内容におおよその検討はついているらしい。
「当たりよ。双山部長の話。田島くんはその話を聞いてからよく考えて。この話を聞いてなお、私が好きだと言い切れるか」
私の強い口調に、田島くんが息を呑んだ。