ロールキャベツは好きですか?
……どれくらい時間が経ったのかわからない。
近くに時計もなかったし、だけど、自らのスマートフォンを取り出して確認するのも、億劫だった。
……待つだけは辛い。
洋平は家に置いてきたという真さんや杏ちゃんを気にして、時々スマホを開いては、真さんにメッセージを送っている。
隣の祥吾くんは祈るように瞳を閉じては、また開き、遠い目をしている。
あれだけひどい言葉を投げかけてもなお、彼は私が平常心でいられなくなると、迷いもなく、助けになってくれた。
ごめんなさい。祥吾くん。
ごめんなさい。
ここで泣くのは卑怯だと思ったから、冷たい毛糸を握りしめて、涙を堪えた。