ロールキャベツは好きですか?

この長屋の大家さんでもあるおじいちゃんに、まめを飼ってもいいか、尋ねると、二つ返事で許可が出た。

もともとペット禁止だったが、他に住んでいる人はいないし、私が子供を産めないことを知っているからだろう。

私たちの新しい家族はやんちゃで、元気いっぱいだ。押し倒されている私とまめを優しい目で見つめる祥吾くんをついからかいたくなり、その髪に手を伸ばした。

「ペット禁止だけど、もうすでにこんなに大きなカピバラさんが住んでるもんね。おじいちゃんも許してくれるはずだわ」

まめの背中を撫で回すみたいに、乱暴に頭を撫でた。途端に祥吾くんの髪はぐしゃぐしゃ。

「俺はカピバラじゃない!」

祥吾くんは唇を尖らせる。この表情が可愛いから、カピバラさん扱いはやめられない。

「思うんだけどさ。俺ってそんなにカピバラに似てる?」

「似てる。のほほんとしてて」

祥吾くん、不服そう。

「いいじゃん。カピバラさん可愛くて。温泉浸かってるとこ、とても癒やしだよね」

「その温泉浸かってるとこも、俺に似てる?」

「似てると思うよ」

「へぇ?俺の風呂入ってるとこ、見たことないくせに。何なら今から一緒に入る?」

ニヤリと笑う祥吾くんに、今度は私がからかわれる番。

「はいんない!」

「ええ~!ケチ」

ケチ……ケチって言われましても……。

恥ずかしすぎる!!
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