ロールキャベツは好きですか?

「ってか、まめばっかり舐めるのずるい」

祥吾くんは、私の胸に乗っかって鼻を舐めているまめを抱き上げた。
抗議のために、その短い足がバタバタ揺れている。

「まめはちょっとそっちで遊びな」

まめを私から離れたところに下ろすと、呆気にとられる私の上に祥吾くんは乗ってきた。

「ちょっ……!祥吾くん!!」

「いいから黙って。一緒にお風呂入んないなら、これぐらい許してよ」

そう呟いて、彼はいきなり激しいキスをしてきた。

え。ちょっと待って。
何?祥吾くん、犬に嫉妬した!?

「まだ、明るいって……!祥吾くん」

「カピバラ扱いした罰です」

酸素を求めて横を向くと、何してんの?と興味津々の瞳とぶつかる。

「まめが見てる!」

「無理です。辞められません。それに見られていても、告げ口されませんよ」

た、確かにそうなんだけど……!

「祈梨さん、忘れないでください。カピバラだって、時には、キバを剝きます」

唇が離れたすきに囁かれ、首筋に痛みが走った。
歯をたてて、甘噛みをされているようだ。

カピバラにキバなんてあるの……?と頭のどこか冷静な部分が問うてる間に、私は手元にあった小さなボールを遠くのほうに投げた。

まめがそれを追いかけて、私の顔に受けていた視線から開放されると、私は観念して彼の首に腕を巻きつけた。

なんだかんだ文句言いつつも、このカピバラ似の肉食系男子に寄ってこられると身体が疼くのだ。

それを合図に彼の行為は更に執拗になってくる。

「……っ……」

「声、我慢しないの」

我慢しないのって言われても、まめが動く気配がしたら、どうしてもこらえちゃうよ~!!

そんな私の表情が楽しいらしい祥吾くんは、更に私を困らせようと、ほとんど服を脱がせていないくせに、スカートの中に手を忍び込ませた。

彼が与えてくれる快感を期待して、身体に力をいれた。

その時。
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