ロールキャベツは好きですか?

「姉ちゃん。ちょっと痩せたね。仕事忙しいの?」

やっぱり、痩せたのは、誤魔化せないか。

弟と会うのは2ヶ月ぶりだしね。

「そんなにわかる?まぁ金曜日から熱出してたんだけど」

「え、大丈夫なわけ?」

「たぶん、大丈夫」

安心させるように笑うと、膝の上の杏も声をあげて笑った。

「まぁ大丈夫か。姉ちゃんは一人暮らしでも、看病してくれる人がいるもんな」

「それって忍のこと?」

「そう」

そういえば去年胃潰瘍になったとき、病院に付き添ってくれた忍を、洋平に紹介した。

そのとき、私は彼を会社の同期だと紹介しようとしたのを押し留めて、恋人だと正直に言ったのは、忍のほうだった。

「忍とは別れたよ?」

「え!?」

私を見て目を見開いた洋平の顔があまりに可笑しくて、私はプッと吹き出した。
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