ロールキャベツは好きですか?
不意に時計を見た。
9:35
「お坊さんくるまで、あと30分もないよ?叔父さんたちどうする?」
洋平たちに訊いてみると、洋平はそうだった、とため息のような吐息をした。
「もう一回声かけて、出てこなかったら、諦めよう」
「だね」
私と洋平は叔父さんの部屋の前まで行った。
そして声をかける。けど、そんな簡単に出てきてくれるはずがない。
「じっじ!」
杏も杏なりの言葉で叔父さんを呼んだ。
叔父さんとはまだまだ呼べない杏にとって、智叔父さんは『じっじ!』なのだ。
ちなみに、ひいおじいさんに当たる私の祖父のことは『じいじ』だ。
「じっじ!あーぼ!」
杏いわく、『智叔父さん、遊ぼうよ!』だ。
「じっじ!じっじ!!」
器用にハイハイして、ふすまの前まで行くと、今度はふすまを叩いて自己主張。
ドンドン!じっじ!
ドンドン!じっじ!