ロールキャベツは好きですか?
う、うそだよね……。
いつも見慣れたその姿。
見間違いな訳ないよね。
そんな私を知らず、決定打を打ってくれたのは、向こうと面識があるらしい洋平だった。
「田島さん。お久しぶりです!」
3メートル先に立っていたのは、あの草食系男子だった。
「田島くん!?」
「渡邊主任!?」
二人の声が、澄んだ秋空に木霊する。
その声に驚いたのは、洋平と祖父だった。
「祈梨と田島くん、知り合いなのか?」
「田島さん。姉ちゃんのことを知ってるの?」
田島くんは口をパクパクしてるだけで、言葉になっていないから、私が代わりに答えた。
「田島くんはうちの会社の後輩よ。何なの。何でじいちゃんも洋平も田島くんのこと知ってるのよ?」