あの夏の日 #6
黄色いリボンが乗っていた。


「可愛い!」
「でしょ!でしょ!」
「ありがとう!加衣、大切にするね!」
「うん!」

加衣の頭の上にも、イロチのピンクのリボンが乗っていた。


ボーン、ボーーン。…

鐘の音。7時55分を知らせる音。


「ヤバイ!急ぐよ加衣!」
「えっ?あぁー」

ダダダダダダダ…ダダダダダダダ…
ハァハァハァハァハァハァハァハァ…

私は、元ソフト部だったから体力に自信があったが、加衣は、

「莉咲、加衣、もう無理」
「いや、スピードアップだー」
私は、加衣の手をひいて駆け出した。
< 4 / 67 >

この作品をシェア

pagetop