素直になれない7センチ
カッコイイ子だなとは感じていたけど、夏目くんは弟の友達で勉強を教える関係。
それだけだと思っていたから、告白されたことにすごく驚いた。
目を見開いて硬直している私に、真っ赤な顔をした夏目くんが迫ってくる。
「俺じゃ……だめですか」
その当時の私は突然のことに驚いたのと、真っすぐ向けられた好意にドキドキして頬を紅潮させながら無言になってしまった。
それを肯定と受け取ってしまったらしい高校生だった夏目くんは、私の頬に手を寄せてキスをしてきた。
ハッと我に返った私は思いっきり夏目くんを突き飛ばして、鞄を抱えながら無我夢中で彼の家から飛び出した。
それが夏目くんと会った最後だった。