素直になれない7センチ



「……もしもし。どうしたの?」


あ、やばい。ちょっと声震えちゃった。

気づかれていませんように。


「あれ。俺ってわかるんだ」

「……わかるよ」


私も番号をずっと変えていないし、夏目くんの連絡先も消してない。


……消せなかったんだ。




「なにそれ…………嬉しすぎ」


電話越しに聞こえてる夏目くんの声は本当に嬉しそうで、どう答えたらいいのかわからず下唇を噛みしめる。



「もう終わった?」

「うん。今から帰るとこだよ」

「じゃ、俺も行く」

「え!?」


理由を行く前に一方的に電話を切られてしまった。


俺も行くって……夏目くんとっくに帰ったはずだよね?






< 31 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop