素直になれない7センチ
————あの後、そのまま流れで三人で駅まで帰ることになり、水井さんが一方的に夏目くんに話しかけていて私は空気状態だった。
それに夏目くんはなんだか不機嫌そうで私の目を一度も見てくれなかった。
せっかくわだかまりが消えて、また前みたいに話せるようになったのにな……。気づかないうちに何かしちゃったかな。
そのことで落ち込んでいると、寝る前にメールが一通届いた。
差出人を見ると<夏目くん>の文字にドキリとした。
『今度はゆっくりご飯に行きたいから、都合のいい日教えて』
メールをの内容に表情が緩む。
『明日は金曜日だし、どうかな』
と返して、そわそわしながら何度もスマホを確認してしまう。
……なんでこんなに返事が気になっているんだろう。
あ、そうだ……
また夏目くんと話ができることが嬉しいのかもしれない。