素直になれない7センチ



今日の用事って水井さんとだったんだ。

そっか……。



感じたことのないような鈍い痛みが胸に広がっていく。

……あの二人付き合っているのかな。


すごくお似合いな二人で、納得のはずなのに視界が歪んでいく。


あれ、なんだこれ。いやいや、これはあれかな姉的な感情かな。可愛い弟に彼女ができてちょっと寂しいというか……うん。


夏目くんと水井さんがいい感じなら、夏目くんと二人でご飯は行かない方がいいかもしれない。誤解されちゃうかもしれないし。




それとも未だに夏目くんがあの頃のまま自分のこと思ってくれているんじゃないかって自惚れていたのかもしれない。

……馬鹿だなぁ。本当馬鹿。

そんなわけないじゃん。


何年前の話なのそれ。告白されたの夏目くんが高校二年生の頃の話だよ?


未だに私のこと想ってくれているとか、そんなはずないじゃん。



冷静に考えたらわかることなのに久々に懐かしい相手と再会して気持ちが盛り上がっちゃったのかな。自分で彼の気持ちを踏みにじったくせに。





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