素直になれない7センチ
「けど、夏目くんって……真面目な人みたいですよ」
あくまで “みたい” としか言えなかった。
知った風に言うと、私と夏目くんの関係を色々聞かれちゃいそうだし。
「イケメンで真面目……いいなぁ。同期にいたらなぁ」
絵里子ちゃんが鼻をかみながら、ぼ〜っと天井を眺める。
私や絵里子ちゃんは同期だけど、同期のイケメンっていったら癖のある人しかいない。
夏目くんの同期の子や水井さんみたく年齢が近い子だったら、気にすることなくアタックできるのかな。
たった四歳差かもしれないけど、私にとってその差は大きい。
三十歳になった時、彼は二十六歳だ。
そう考えると、ため息が漏れそうになる。
って、私なんでそんなこと考えてるんだろう。
こんなのまるで……夏目くんのことが好きみたいだ。