素直になれない7センチ



「————ねえ、そういえばいつから……私のこと好きだったの?」


ソファにもたれかかりながら照れくさそうに聞いてくる香穂さん。


本当この人……こういう上目遣いとか仕草がかわいいってこと気づいてない。




「いいじゃん、いつからだって」

「え〜……知りたいのに」


口を尖らせる香穂さんの顎を持ち上げて、軽くキスをする。


もう許可をとったりしないけど、未だに顔を真っ赤にする香穂さんを眺めるのが楽しい。

って、こんなこと言ったら怒られるだろうけどね。



「知りたいの?」

「……うん」


にっこりと微笑みを返すと、俺が言う気がないって悟ったのかムッとした表情で顔を逸らされてしまった。



「ごめん、ごめん。香穂さん、機嫌なおして?」



だってさ、恥ずかしいじゃん。


中一の頃に一目惚れして、それからずっと好きだったなんて。


やっぱまだ引かれちゃったらどうしようとか思うしさ。




「いつか教えてあげるから」


それは多分、香穂さんの左手に誓いをする日にでも。




「いつかって……?」

「内緒」


けど、まだ教えてあげない。












<素直になれない7センチ>
おまけ おしまい
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