悲しみに、こんにちは3
どれだけの時間が経ったのか?
「……たしか、初めまして、ですよ」
たかが数秒間が異様に長く感じる
乾ききった喉が水分をほっしている
「嘘つくなよ、入家 皐月」
「貴方のことは知ってました
でも、会ったのは今日が初めてです」
全身が悲鳴をあげてる
この男に、食われると
「ずっと、見てただろ」
「……姉ちゃんの恋人を確認したことはあります」
そう、ウソじゃない、そう
「ちげえーよ」
やばい。この男にだけは知られてはいけない。
「入家 さくらと付き合う前から、俺らのこと見てただろ?」
だめだ、やばい。
この男は……気付いてる。
「ああ、正確にはちげえな」
長門 春海は……
「ユズキだろ」
長門 春海は……
「お前、ユズキに惚れてんだろ」
全てを知っていた。