悲しみに、こんにちは3
「………。」
「なにも言わねえなあ?」
「……付き合ってるんだから、好きに決まってるじゃないですか?……」
男はまた、くっくっくと肩を震わせながら小さく笑う
「もう、よそうぜ。全部、わかってんだよ」
…………もしかすると………
「お前はユズキに惚れても
ユズキはお前には、惚れねえだろ」
もしかすると、俺たちは間違っていたのかもしれない
「入家 皐月には惚れねえだろ」
この男を誤解していた……
「大っ嫌いな入家 さくらに見た目も中身もそっくりなお前に惚れるわけないよなあ?」
長門 春海は、全てを理解している
「貴方はもしかして…………」
俺たちは、この男の思うがままに動かされている
「ほんと、お前ら姉弟ってそっくりだよなあ?」
全てはこの男の欲望のためだった