セカンドパートナー

 絶対、嫌ーー!

 瞬時にそう思った。

 並河君と優人を対面させるのはおろか、秋月さんと一緒にいる並河君を、今は見たくない。

 もう少し、気持ちの整理をする時間が……。並河君を忘れるための時間が、ほしい。でないと、秋月さんに本当のことを知られてしまう。

 何よりこわいのは、秋月さんや優人に全てバレて、並河君と二度と連絡できなくなってしまうことーー!
 
「でも、並河君は忙しくて都合つけられないんじゃないですか?」

 どうにかしてこの話を流れさせるため、必死に平静を保った。

「それに、旦那はいつも夜遅くまで仕事だからそういうの付き合ってくれるかどうか分からないし、急な休日出勤もあるから、そちらの予定と合わせるの難しいかもしれないし……」

 半分ウソ。

 たしかに優人の仕事は変則的なシフトだけど、それでも彼は都合をつけて何度か羽留と三人でカラオケに行ってくれたことがある。私と違い、優人は私の人間関係に関わるイベントを嫌がったことがない。

 今回の鍋も、誘えば、たとえ仕事が忙しくても快く参加してくれるだろう。

「それもそうだよね、さすがに突然過ぎたかも。私や奏詩がよくても、詩織さんや旦那さんには都合があるもんね」

< 127 / 305 >

この作品をシェア

pagetop