セカンドパートナー
「着いたな」
「ホントにまだあるね。私達の学校」
「なかったらそれはそれでショックだな」
「だよね」
何年ぶりだろう。最近は羽留と一緒に高校を訪ねることもすっかりなくなっていたので、もうここへ来ることはないと思っていた。
当然校門は閉められており、誰も入れないようになっている。ここでもまた、時間の経過を感じた。
せっかく来たけど、帰るしかない。寂しいけど……。
「せっかく来たし外周歩いてみよ」
「……うん! それいいかも」
並河君の提案で高校の外周を散歩することにした。一部リフォームされ綺麗になっているけど、校舎の位置もグラウンドも体育館も、全てあの頃のままだった。
「高校の頃は当たり前みたいに毎日入れたのに、今では部外者扱いかぁ」
「ちょっと切ないよな」
それに、あの頃より校舎自体が小さく見える。大人になったからかな。
「高校ってこんなに狭かったんだな」
「あの頃はもっと広い気がしてたよね」
同じ感覚の共有。回数を重ねるたび、やっぱり並河君とは不思議なつながりがあるんだと思う。嬉しい。
並河君は懐かしげにつぶやいた。
「毎日、どこにいても詩織の姿探してたなぁ……」
思わぬ告白に胸が弾む。
「校内でたまに偶然会うことがあったけど、そういうの、並河君が調整してくれてたんだね」
「不自然かなって思ったけどな。気持ちバレないか毎回ヒヤヒヤした。取り越し苦労に終わったけど」