セカンドパートナー
1時間後、美季と会った。お互い車を持っているので、少し遠いけど大学の頃よく行っていたファミレスで待ち合わせをした。
「詩織とこうしてると大学の時を思い出すね。子供連れてないとやっぱ楽だな〜。好きに食べれるし」
美季はそう言い伸びをすると、メニュー表を見た。子育ての疲れがあるんだろう。友達と二人で話せるファミレスを貴重に感じると言った。
「今日は何時まで大丈夫?」
「そんなに気遣わなくていいよ。今日は詩織の話が聞きたくて呼んだんだから」
「私の話って……?」
ドキッとした。
ひととおり注文を終えると、美季はジッと私の顔を覗いてきた。
「最近全然連絡なかったじゃん? ちょっと前のLINEでも変なこと言ってたし」
「そうだっけ?」
「昔好きだった人のこと思い出すかーとか、そういう質問」
「それは、もう忘れて?」
反射的にそう言ってしまう。
並河君とのことは美季には黙っておこう。昔のように揉めたくない。
「あの時は優人のことで悩んでたから昔のこと色々思い出して、懐かしさのあまり、つい。今はもう大丈夫だから」
「ウソつく時、手がソワソワするよね。昔からそう。詩織は無意識なんだろうけどさ」
見抜かれている。