セカンドパートナー

 説明すれば少しは理解してもらえるかと思ったけど、美季は反対意見を貫いた。

「セカンドパートナーなんて回りくどい言い方してるだけで、結局やってることは不倫と同じじゃん。恋愛感情でつながってるわけでしょ? それに、体の関係がない恋愛なんて考えられない。本当に好きならエッチしたくなるはずだよ。お互いにさ」
「それは……」

 美季の言うことも一理ある。

 本音を言うと、並河君に抱かれたい。もしそうなれば、私は優人に触れられることすら嫌になってしまうだろう。だからこそ、セカンドパートナーのルールには体の関係を持たないという項目が設けられたのかもしれない。

 並河君も男の人だ。過去に何人もの女性を抱いてきたはず。いくら気持ちがつながっているとはいえ、キスまでしかできない私との関係は並河君にとってつらいものがあるんじゃないだろうか…? 男性だしなおさら……。

 私の動揺に気付いた美季は、追い打ちをかけるように言った。

「そうやってためらってるのがいい証拠。並河奏詩との関係は悪いことだって、本当は分かってるんじゃないの?」
「悪いことなんて、私達はしてない……」
「優人君に不満があるのは分かるよ。私だってそうだもん。子守りでてんやわんやしてる時に旦那がノンキにスマホゲームしてると本気で殴りたくなるし、泣くこともしょっちゅうある。ママ友と雑談してストレス発散するけど、ママ友はママ友で女同士色々とめんどくさいこともあるから本音では話せないしさ」

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