セカンドパートナー
並河君との関係が変わったことで、美季とは友達でいられなくなった。そのことを冷静に受け入れた。
そのはずなのに、何日か経つと美季のいない暮らしに違和感を感じはじめた。
たわいないLINEがこない。雑談のための電話がこない。美季の子供と会えない。
別れた日からしばらくして、胸が痛むようになった。
美季は、羽留と同じく本音を話せる唯一の女友達だったのだ。
並河君にはこのことを知られたくないので、羽留に話を聞いてもらうことで気持ちを落ち着けようとした。
並河君のマンションに行く前、羽留を誘って駅前のバイキングへ昼食を食べに行った。食べるのが好きな私達は、時々こういう場所を会話のために使っていた。
「そっか……。美季ちゃんとそんなことが……」
羽留と美季は直接の友達ではないけど、高校の頃に私を挟んで何度か三人で遊んだことがある。羽留も美季も、当時は楽しんでくれていた。
「美季が子供の立場を優先するのは母親として当然。でも、やっぱりショックだったのかもしれない。美季に言われたからって並河君と別れるなんてできないけど……」
「別れることないよ。長年の想いが通じてやっと幸せになれたのにさ! 子供がいるからってそういう言い方はないんじゃない? 悪影響って……。美季ちゃんひどいよ」