セカンドパートナー
それから、話は長くなった。
これまで、美季との間で散々話した優人との結婚生活、特に親戚付き合いで感じる負担や苦悩。それらを話し終える頃、私の気持ちはまとまっていた。
思考がクリアになっていく。
「並河君と付き合えていたらどうだったのかなって、今さらだけど考えたりするよ。結婚してるクセにこんなこと想像したらダメなんだけど……」
『別にいいんじゃない?』
肯定的な意見をもらえたのが意外だった。美季は否定してくると思っていたから。
美季はあっけらかんと言った。
『想像だけなら自由だし。私だって、子供二人いるけど昔と変わらずマンガやアニメのイケメンにドキドキするし本気で好きになったりするよ〜。結婚生活でやるべきことちゃんとやってるんだし、そのくらいの楽しみなきゃやってけないよ』
「そっか、そうだよね。無理に気持ちにフタすることないんだよね」
『そうだよ。お互い相手がいるし、間違っても変なことにはならないでしょ』
「うん、絶対ならない! 並河君とは、今まで通り友達だから」
『だったら問題なし!』
それから、美季の子供の話や旦那さんのグチを少し聞いて、電話を切った。
子育てと週5日のパート勤務で忙しい中、話を聞いてくれて本当にありがとう。感謝した。