セカンドパートナー
このままにしておくのは気持ち悪い。
次、書道教室で秋月さんと顔を合わせる前に、何とか自己解決しておきたかった。
とはいえ、ネットでこのことを相談する勇気はなかったので、同じようなジレンマを抱えた人はいないだろうかと、検索をかけてみることにした。すると、似たような相談や回答がズラリと出てきた。
初恋の人を忘れられない。そう悩む人に対し、色んな意見が寄せられている。
ーー忘れる必要はないが現実を見るべき。
ーー思い切って再会の場を設けてみては?
ーー過去は美化されるものだから、今になって会ってもお互い変わってしまったことに絶望するだけかも。
私は今の並河君を美化しているにすぎないのだろうか……?
たしかに、並河君とは長年会っていなかったけど、メールでの交流は続いていた。
久しぶりに会った彼も特に変わってなかった。秋月さんと付き合っているということ以外は……。
あれは、高校1年の2学期。誕生日を迎えてしばらくした秋のことだった。
私達1年の生徒の間で、あるウワサが流れた。
「美術科の並河奏詩(なみかわ・そうし)が、普通科の女子に目をつけてるんだって!」
その「普通科の女子」というのが私のことなのだと、後々知った。