セカンドパートナー

 駅に着くと、並河君は私の頭をポンポンとなでた。

「また何かあったら言えよ?」
「聞いてくれてありがとう。あれ、並河君…?」
「こっちなの、俺」

 並河君は反対方向のホームに向かい、こっちを見て元気に手を振った。

「暗くなってきたし、夜道気をつけてな」
「並河君も!」
「男だから大丈夫。また一緒に帰ろ」

 うん! そう返事する前に踏切の音が鳴り、並河君と私の間に遮断機が降りた。

 他の生徒より学校を出るのが少し遅かったからか、駅には私達以外の人はいなかった。

 ホームに一人きりの私。並河君も一人。初めてのシチュエーションにドキドキしつつ、もの寂しさを感じた。

 反対方向なのが残念。

 自分でも意外なほどガッカリしていた。校門を出た時から、並河君とは電車の中まで一緒にいられるのだとばかり思い込んでいたから。

「…………!」
 
 ホームの向こうで並河君が何か言っているけど、カンカンと絶え間なく鳴る警報機の音にかき消されて聞き取れない。

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