未来から下剋上しまーす!
ツインテールの影が見える。
『ほら、好きな人が迎えに来てくれたみたいだよ』
「やっと、見つけましたヨ!
どこにいたんですカ?
もう、次決勝…ア……」
ソラナが春希に近寄る途中、莉茉の存在に気付く。
『ほら、やっぱりソラナだ。
行きなよ。
ちゃんと自分のことを好きでいてくれる…ソラナの元に』
「俺の話を…聞いて…」
『言ったでしょ?
聞けないし、聞きたくない。
ソラナ、春希くん…試合でしょう?
連れてってあげて』
「…はイ」
『なに2人して、しんみりしてるの?
気持ち悪いなぁ。
2人とも…お幸せにね』
重い鉛のような体と動かない足を無理に動かし、ゆっくり歩き出す莉茉。
『…っく……』
痛みに顔を歪めながらも、扉に向かって歩いていく。