starlight kiss~俺様御曹司と泣き虫姫君~
そうして帰って行った玄馬を部屋の窓から理桜は見送った。

「あんな事の後に会う事なんて出来ないよ…」

そう言って少し泣きそうになりながらもベッドに潜り込んだ。
一方その頃、玄馬は青山に聞いていた。

「青山、今までなんだかんだ言いながら敬語を使った事のない人がいきなり敬語使い出すってどうなんだ?」
「何かありますね」
「だからそれが何なんだって聞いてるんだよ」
「いろいろありますよね。例えばその対応になるまでに何か原因があったとか」
「原因…」

その時、玄馬の頭をよぎったのはついさっき聞いたばかりの理桜の母親の言葉だった。

『あの子、携帯壊れたらしいの』
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