starlight kiss~俺様御曹司と泣き虫姫君~
「どうするの?」
「……ただ助けられるだけじゃ嫌だから…」

そう言う理桜の頭をくしゃりと撫でた玄馬。立ち上がると手を差し伸べたのだ。

「帰るぞ。」
「え?何…」
「そのままの頭で帰れるか。ほら。」

そう話すと理桜の前を歩いた玄馬を待ってしまった理桜。ピタリと止まると背中を見せたまま振り返ることなく理桜に呼びかけた。

「ほら!早く来い!置いてくぞ!」
「え…っあの…」
「さ。行こうかね。」
「あの…」
「玄…あぁみえてよっぽど君が好きなんだな。」

そう言い残された理桜はきょとんとしたまま玄馬と翼の後を追い、少しの距離をとって歩いていった。
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