片恋。

「悪いのはえまだと思うよ〜?」



私は机に肘をついて笑真を見上げる。



「どーいうことだよ?俺なんもしてなくね?はなまで俺のこと責めんの?ひでぇよ…」



「はぁ〜あ。えまくんはまだ乙女の気持ちがわかんないのね」



不敵な笑みを浮かべる私に笑真はさらに首をかしげるだけだった。



「乙女ぇ?…よくわかんねぇけど、傷つけたんだったらごめん、ゆず」



「ぷっ…。もういいよ、おこちゃまえまくん」



「おこちゃまてゆず…」



「ざんねーん。てかどっちも鈍感だね」



「へぇ?」



2人は同時に首を傾げた。



「知らないなら、いいよ」



ほんとは、お互いに想い合ってるのにね。




だって、今笑真はさりげな〜く柚菜の隣に座ってるし。



柚菜があんなに機嫌悪くしたのは、笑真のことが好きだから。



私はちゃんとわかってるよ。




「柚菜もえまも、お互いに自分の気持ちが伝わらなくて残念だね〜」



「ちょっ、ちょっと!華美⁈な、何言って…」



言った途端急に顔真っ赤にして焦り出した柚菜。




「気持ちって…な なんだよ⁈」




恥ずかしそうに顔を背ける笑真。



ふふふ。



可愛いなあ…。



「お似合いだよ!」



「はあ⁈何言って…」



ーーキーンコーンカーンコーン…




「授業始まるよ〜?」



「うぅ…」



2人は渋々という感じで自分の席についた。



その数秒後に優が片手にケータイを持ったまま教室に駆け込んできた。


< 13 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop