片恋。
「悪いのはえまだと思うよ〜?」
私は机に肘をついて笑真を見上げる。
「どーいうことだよ?俺なんもしてなくね?はなまで俺のこと責めんの?ひでぇよ…」
「はぁ〜あ。えまくんはまだ乙女の気持ちがわかんないのね」
不敵な笑みを浮かべる私に笑真はさらに首をかしげるだけだった。
「乙女ぇ?…よくわかんねぇけど、傷つけたんだったらごめん、ゆず」
「ぷっ…。もういいよ、おこちゃまえまくん」
「おこちゃまてゆず…」
「ざんねーん。てかどっちも鈍感だね」
「へぇ?」
2人は同時に首を傾げた。
「知らないなら、いいよ」
ほんとは、お互いに想い合ってるのにね。
だって、今笑真はさりげな〜く柚菜の隣に座ってるし。
柚菜があんなに機嫌悪くしたのは、笑真のことが好きだから。
私はちゃんとわかってるよ。
「柚菜もえまも、お互いに自分の気持ちが伝わらなくて残念だね〜」
「ちょっ、ちょっと!華美⁈な、何言って…」
言った途端急に顔真っ赤にして焦り出した柚菜。
「気持ちって…な なんだよ⁈」
恥ずかしそうに顔を背ける笑真。
ふふふ。
可愛いなあ…。
「お似合いだよ!」
「はあ⁈何言って…」
ーーキーンコーンカーンコーン…
「授業始まるよ〜?」
「うぅ…」
2人は渋々という感じで自分の席についた。
その数秒後に優が片手にケータイを持ったまま教室に駆け込んできた。