片恋。
「ねぇ、優。なんでりおなちゃんにあんなに冷たいの?」
お昼休みの屋上。
今、私は柚菜と笑真、優の四人でお弁当を食べるとこ。
「あ〜 それあたしも思ってた。てかうちら以外の女子、全員にだよね」
にやっと柚菜が笑いながら優を見た。
「…なんでって、めんどくさくね?女子って」
優はため息をつきながらオレンジジュースを飲む。
「えぇ〜?心ちゃんと私と柚菜は大丈夫なのに?」
「華美たちはちょっと違うだろ?」
どこが違うんだろう。
別に、他の子たちより可愛いわけでもないし、可愛くないわけでもないよね?
「どうちがうの?」
柚菜が首を傾げる。
「俺と華美は幼馴染み。柚菜は華美の友達、慧真は俺の友達。だろ?他のやつらは別に特別そーゆーわけでもねぇし」
なるほど。
優って確かに色んな人と話すけど、私達みたいに特別仲良くしてるわけでもないよね。
めんどくさいんだね、優は。
「俺の友達はお前らだけで充分だっつーの!」
「ふふっ…優らしいね」
私はそう言って優の肩をぽんぽんと叩く。
「そりゃどー…もっ」
すっと私のお弁当箱に入っていた卵焼きが視界から消える。
「あっ こら‼︎なんで卵焼き勝手に食べちゃったのさ…」
「うまっ!本当おばさんて料理上手いよな〜」
「無視かい!もう…楽しみにしてたのに〜…優のばかっ!」
ぺしんと優の頭をはたく。
「いってぇな…ごめんて。そんな怒んなよ、華美ちゃん?」
「まったバカにしてっ!もう…」
「は、牛だろ?笑」
「優っっ‼︎‼︎」
ばっしーん!
私は思いっきり優の背中を叩いた。
屋上に叩いた音が響き渡る。
女子の皆さん、優は決してクールで無口なやつじゃありません…
実際は調子のいいだけの男です…
「ははっ!お前らのケンカはいつまで続くんだよ〜。俺見飽きたわ」
「ふふふ…あたしも」
笑真と柚菜は平和そうに自分のお弁当を食べている。
「ホント仲良いよねぇ」
柚菜の言葉に私の胸がつきんと痛んだ。
「も〜っ!そんなわけないでしょ?」
慌て苦笑いする。
「本当だよ。第一 俺には心がいるんだからな!」
ズキッ…
だよね。