片恋。
へへ、と笑うと優が顔をあげてぎこちなく笑った。
「そーだな。お前、超寒そう。俺ん家入る?」
「えっ?いいよ!おばさんたちに悪いし!」
私が両手をばたばたふると、優が誇らしげに笑って見せた。
なんで誇らしげなのかはわかんないけど。
「今日は両方いねーんだ。2人で旅行行ってくるって」
「じゃあ行こっかな〜。ほんとに仲良いよね、おばさんたち」
「仲良すぎて困るって」
優のツッコミ?に私は笑う。
「そぉ?私は好きな人となら結婚してもずっと仲良しでいたいけどね」
「いんのか?好きなヤツ」
「ないしょ〜」
そういいながら、隣の家に向かう。
私の隣の家が、優の家。
昔からずっと優といるから、別に家に出入りするのはお互い気にならない。
ガチャ
「わあ…あんたん家ってすごい」
私は玄関に入るなり口をぽかんと開けた。
目の前には、巨大なクリスマスツリー。
イルミネーションがきらきらと輝いている。
他にも、サンタの人形や置物、プレゼントの箱やリースなどが、玄関のあらゆる場所に散りばめられていた。