片恋。
「ゆ〜う!ハイっ」
私はストロベリーのドーナツを優に渡して、自分はチョコナッツのドーナツをひと口かじった。
「さんきゅ」
優もそう笑って、ドーナツをかじる。
「あのねっ、今日さ、廊下でみぃたん先生に会ってね!」
近くのベンチに座って、私は無言にならないように話をふった。
静かな時間が、きっと心ちゃんを思い出させてしまうんだと思うから…。
「うん」
「そしたら、みぃたん先生指輪してて!」
「へぇ」
「結婚したんだって言ったらね、やっとよ、中学3年生のときからずうっと付き合ってて、だって!すごいよね…っ」
「…」
「…優?」
しまった。
恋愛で落ち込んでる優に恋愛の話はタブーでしょうが、私。
そっと優の顔を覗き込んで、一瞬呼吸がとまる。