片恋。
「おいおい待てって!俺をおいて行くなよなっ」



優の気配を背後に感じたと思った瞬間、目の前に優の背中があった。



…私の方がおいてくななんですけど。




キーンコーンカーンコーン…




「ぎゃーーっ‼︎‼︎」




ガラガラっバタバタバタ…。




なんとか、チャイムがなり終わるとほぼ同時ぐらいには席につくことができた。




「どしたのはな〜?めっちゃギリギリじゃん」



後ろの席にいる友達の桜庭 柚菜(さくらば ゆずな)が私の肩をちょんと突つく。



「へへ。黄昏てた」




「何それ」




「カッコつけてみた〜」




「明那と桜庭、静かにしなしゃいっ」



「あーっ!宇宙人先生が噛んだぁ」



「かわいー」



クラスメイトの笑い声が一気に広がる。




「こっ、こらっ!誰でも失敗くらいあるだろう⁈そもそも宇宙人とはなんだっ」




恥ずかしそうに顔を赤くした宇宙人こと山崎 宏(やまざき ひろし)先生。



全く名前には宇宙関係の漢字が入っていないのに、なぜ宇宙人と呼ばれるのか。



その理由は、先生の外見にある。



ひょろりと細長い体に、大きなおでこに印象的な目。




まさに、世間で言うエイリアンのような外見から、宇宙人と呼ばれるようになったみたい。




先生は中年?の強面イカツイおっさん。って感じの人。






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