片恋。
…ーどれぐらいたったんだろう。
気がついたら、もう空は真っ暗で、星が輝いていた。
私はベンチに座ったまま、眠ってしまっていたみたいだ。
「んぅ〜っ」
ぐっと伸びをして、公園の真ん中にある時計をみた。
8時17分…だいぶ時間経ってるなあ。
優、心ちゃんと話できたかな。
そう思いながら、あくびをひとつして、道路を挟んでひとつ向こう側をみる。
人影がこっちへ駆け足で来るのが見えた。
「華美っ!」
優の声だ。
暗くて顔がよく見えない。
「優…。心ちゃんと、話できた?」
私の前まで来た優を見上げて、たずねた。
「あぁ…また付き合うことになったよ。心の病気のことも、聞いたよ。俺に出来ることはなんだってやる。一番に支えたい。絶対に、心をいっぱい笑わせてみせる」
そう言って途中一瞬顔を曇らせたけど、最後は綺麗に笑う優が、街灯に照らし出された。
幸せそうな顔…。
その顔をみて、何かが胸の奥からじわりと溢れ出てくる。
よかった。
優が、心から笑ってる。
「よ、よかっ、よかった…っ」
泣き出した私に、優が一瞬慌てる。