片恋。
笑真が何かを言って、頭を下げた。
柚菜はその後に、両手で自分の口元を覆った。
お互いに、顔が真っ赤だった。
頭をゆっくりとあげた笑真に、柚菜が正面から思いっきり抱きついた。
それから、2人顔を見合わせて、笑顔になる…。
よかった。
告白、成功したみたい。
ちらりと優をみたら、優も私のほうを向いて、よかったなってかんじで私に微笑みかけた。
どきっ…。
その後に、ずきっと胸に痛みが走る。
「…帰ろっか」
「だな」
私はいつもどおりを装って、笑顔を作って立ちあがった。
優も笑顔でうなずいて、私たちは2人から離れた。
まだ、好き。
やっぱり、好き。
優を見るたんびに、胸の奥が苦しくなる。
好きで、好きで…。
首を振って、私は前を向いた。
優の背中が見える。
気がついたら、こんなにも時間が経っていたんだね。
いつも、優の背中を追いかけていた。
小さい頃は、頼りなくも思えた後ろ姿。
今は、立派な男の人の姿をしてる。
優は、心ちゃんに出逢ってから、今まで以上にたくましくなったと思う。