片恋。
キーンコーンカーンコーン…


チャイムが鳴って、休み時間に入った。


すると、優のケータイが振動した。


優は、ケータイの画面を見て、表情を緩める。


「心からだ…もしもし?」


急に優しい声になる優。


大切なものを、壊さないよう優しく包み込むような…そんな声。


それは、電話の向こう側にいるのが、咲原 心(さきはら こころ)ちゃんだから。


優の…”彼女”だ。


初めて心ちゃんを見たとき、私は心ちゃんにくぎ付けになったのを覚えてる。


色素が少し薄いらしく、外人のようなミルクティー色の髪の毛。


真っ白な肌。長いまつ毛に大きな瞳が印象的。


…私のお姉ちゃんは、ほんとに名前の通り、凛とした華やかな花のような人。


心ちゃんは、真っ白で綺麗な雪の上に咲く一輪の小さな花のように儚げで。


笑うと天使みたいで、本当に純粋で真っ白。



目を奪われてしまうほど、魅力的な女の子。



そんな心ちゃんが恋した人は、優。


優は、その儚げで可愛らしい小さな花を優しく見守り、そして支える暖かな太陽。


黒髪で長すぎず短すぎず、絶妙な長さの髪の毛。


健康そうに焼けた薄い小麦色の肌。


整った顔立ちにすらりとした体型。


バランスよくついた程よい筋肉。


優も、何から何まで完璧な男の子だ。
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