片恋。
そんな優が恋した人は心ちゃん。



美男美女カップルって噂になってた。


でも心ちゃんは今、県外の高校にいっていて、優とは滅多に会えない。


いわゆる、遠距離恋愛ってやつだ。


私には、ずっと優のことが好きだったから、ちょっと嬉しいこと。


だって、優と心ちゃんはなかなか会えない。


けど、私は毎日優と会うことができる。


もしかしたら優は、私のことのほうが気になるようになるかもじゃん。


…て思ってたけど、優は今まで以上に心ちゃんのことが好きになっちゃったみたい。



私の横で、お構いなしに「会いたい」って言いまくるんだよね。


こっちの気も知らずに。


ほら、今日もまた…「早く冬休みこねーかなあ。え?なんでってそりゃ心に会いたいから」


もー、聞いてるこっちが恥ずかしくなる。


こんな学校の教室のど真ん中で会いたい宣言されても…。


一緒にいる人の身にもなってよ…。


優は格好いいからってのもあってちらちら視線感じるし。


私は私であの有名な読モの明那 凛華の妹だっていちいち話題にされるし。


ほんとやだ。


「優、違うとこで電話してよね」


私は小声で優に呟いた。



優は、心ちゃんとの話をつづけながら、片手をあげて謝るしぐさをした。
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