森の迷いグマ
 帽子はそのまま森へ。
 女の子も森へと入っていきました。

 森の中を歩いて行くと、茂みの奥から大きなクマさんが!

 女の子は思い出しました。

 お母さんや村人達から、この森にはさ迷い続けるクマがひそんでいるから、入ってはいけないと言われていたのです。

 女の子は、怖くて動けなくなってしまいました。

『あぁ、私……きっとこのクマさんに食べられちゃうんだわ……』

 女の子はシクシクと泣き出しました。

 クマさんは、ゆっくりと女の子に近づきました。

 すると……女の子の頭にそっと、何かを乗せました。

 それは、女の子の帽子でした。

『怖がらせてごめんね』

 クマさんはそう言って、また茂みの奥へと消えていきました。
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