生きる。
ドナーは美波ではなく、私へ使われることになった。
私はここまで元気に過ごしてこれたのだから
私よりも美波の体に使った方がいいんじゃないの?
そんなことを思っていたが
私の発言でどうなる問題ではない。
ただ移植しようか正直悩んでいた。
7歳から入院していたため
移植のチャンスは何回かあった。
ただ、正常に動かなかったら…
拒絶反応を出したら…
手術への恐怖心
移植への恐怖心があり
いつまでも決断できずにいたのだ。
こんな私を励ましてくれたのは
誰でもなく美波だった。
美波とは随分と会えていない。
手紙のやり取りが増えていた。
"由茉なら大丈夫。
由茉の人生、まだまだこれからだよ。
助かる道が他にないなら迷うことなんかない。
未来は自分で手に入れるんだよ。"
何度も何度も励まされた。
そこには美波の強い
「生きて。」
というメッセージがこめられていた。