生きる。
「私先に車戻るね。」
私はそう言ってその場をあとにした。
「由茉。」
しばらくして、私の名前を呼ぶ声に足を止めた。
「湊…。」
そこには湊がいた。
「さっきは悪かったな。
由茉に八つ当たりした。」
「いいよ。」
じゃあ…と戻ろうとしたら
いきなり湊に抱き締められた。
「え…湊?」
「好きだ。」
「えっ…」
胸が高鳴った。
「俺由茉のこと好き。
さっきは雄に嫉妬した。
由茉を俺のにしたくなった。
出会ってすぐ惹かれた。
由茉の真っ直ぐなところ好き。」
不器用だけど…まっすぐに伝えてくれた気持ちが
本当に嬉しかったんだー
「私も…湊のこと好き。
だいすきだよ。」
私も素直に気持ちを伝えた。
「…まじで?本当に?」
「本当に。湊が好き。」
「…やっとだ…。やっと手にはいったな。
つーことで、今年もよろしくな、彼女さん?」
そう言って湊は私にキスをした。
触れるだけの優しいキス。
あー…私、世界一幸せかもしれない。
神様、さっき意地悪なんて言ってごめんなさい。
与えられたチャンスを
私は精一杯生きるよ…。